コクシジウム症

コクシジウム症は、イソスポラというコクシジウム類に属する原虫の感染によって起こる寄生虫感染症です。成犬であれば寄生されても発症することは少ないが、幼犬は免疫力が弱い為発症しやすい。発症した場合は主に下痢や脱水などを引き起こします。

危険度

低い 命に関わる恐れは低いですが、注意が必要です。

かかりやすい犬種

全ての犬種に一般的に見られます。特に幼犬が、かかりやすいです。

主な症状

下痢をする、体重が落ちる(やせる)、元気がない・疲れやすい、熱がある、脱水を起こす、食欲がない、血便が出る。コクシジウム症の潜伏期間は1〜2週間程度。発症すると水様性の下痢をします。ときに粘液や血がまじった下痢をすることもあります。下痢にともなって、幼犬では脱水が見られます。幼い犬ほど脱水がひどくなり、嘔吐や食欲の低下を生じます。このため成長不良や衰弱が起こることがあります。特に生後6か月までの幼犬が発症すると、症状が重篤化し死亡してしまうこともある為、注意が必要です。成犬では、軟便などが見られるほかは目立った症状が現れません。しかし、他の寄生虫感染により、下痢が悪化することもあり、慢性感染では体重が減少することがあります。

予防方法

飼育環境を清潔に保ち、健康を維持することが大切です。他の寄生虫に感染しないようにも注意しましょう。なお、フン便と一緒に排泄されたばかりのコクシジウムのオーシストは未成熟で感染力はありません。フンを放置せず、すぐに回収すれば、感染を予防することができます。繁殖を予定している場合には、母子感染を予防するために母犬が妊娠する前に、コクシジウムを駆虫して原虫の保持者(キャリアー)になることを防いでおくだけではなく、子犬が母犬の便を口にしないようにする対策も必要でしょう。

原因

コクシジウム症は、コクシジウムが犬に寄生することが原因です。感染した犬のフン便と一緒に排泄されたオーシストと呼ばれる卵型のコクシジウムが、何らかの拍子で犬の口に入ることで感染します。感染犬は症状が回復した後も、しばらくの間はフン便と一緒に病原体を排泄して、他の犬への感染源となります。

治療方法

コクシジウム症の治療には、投薬治療と飼育環境の改善の両方を行う必要があります。投薬治療はサルファ剤などの抗コクシジウム剤を1週間ほど投薬します。しかし、便検査の結果によっては、さらに長く投薬し続ける必要があります。脱水を起こしている場合には、その治療も行います。また飼育環境の改善は、再感染を避けるため、飼育環境の消毒を行います。