主に狂犬病ウイルスによって起こり、すべての哺乳類に感染する感染症です。ほとんどの場合、感染動物による咬傷によるものであり、ウイルスを含んだ唾液が体内に入ると感染します。感染してから21日〜80にち以内に発症するといわれていますが、潜伏期間はかなり短いか、あるいは長い場合もあります。
有効な治療法は存在せず、どの哺乳類に関わらずほぼ100%の致死量を持っています。
危険度
非常に高い 命に関わる恐れがあるので、早急に受診をお勧めします
かかりやすい犬種
すべての犬種に一般的にみられます
主な症状
発熱、食欲不振、異物を食べる、すべてのものに攻撃する、運動失調、痙攣、嚥下困難、昏睡
狂犬病の症状は前駆期、狂躁期、麻痺期の3つの期間があります。前駆期では、発熱や食欲不振などを始め、暗い場所に隠れたり、これまで友好的だった犬が近寄らなくなったり、逆に攻撃的だった犬が従順になったりなど、普段と異なった行動をします。次に2〜4日ほど続く狂躁期では、糞や小石などの異物を食べたり、目の前にあるものすべてに噛み付いたり、吠える、攻撃するなど過剰な興奮性を呈します。その後、嚥下困難、運動失調、痙攣や昏睡などの麻痺症状を起こし1〜2日間で死に至ります。また、初期段階から急速に麻痺症状が見られ数日で死亡する場合もあります。80〜85%が狂躁期を経て、その期間に犬の攻撃性が強くなり咬傷事故が多発します。
予防方法
ワクチン接種が有効です。日本では狂犬病予防法によって生後3ヵ月以上の犬に年1回のワクチン接種が義務づけられてもいます。しかし動物輸入によって国内に狂犬病が入ってくるという可能性は常にあるため、年に1回は必ず狂犬病のワクチンを犬に接種させてください。
原因
狂犬病ウイルスに感染した動物に噛まれると、ウイルスを含んだ唾液が体内に侵入し、感染します。ウイルスは咬傷部位から中枢神経や末梢の神経、すなわち脳・脊髄へと広がり、脳炎、脊髄炎、末梢神経障害などの中枢神経障害を引き起こします。
治療方法
発症すれば有効な治療法ありません。狂犬病に感染した動物又はその疑いがある動物に犬が噛まれた場合は直ちに病院に搬送し、直ちに狂犬病ワクチンを再接種します。そして、厳重な管理の下で狂犬病を発症するかどうかの経過観察を行うことになります。この感染症は公衆衛生上の危険が著しいため、発症した動物には安楽死が選択されます。