耳ダニ感染症(耳疥癬、ミミヒゼンダニ感染症)

犬の耳ダニ感染症(耳疥癬、ミミヒゼンダニ感染症)は、ミミヒゼンダニ(通称:耳ダニ)、細菌、マラセチアと呼ばれる真菌、カビ感染から起こる耳の病気です。これらが寄生することで発症します。犬の耳の中で繁殖し、激しいかゆみを引き起こします。

危険度

低い 命に関わる恐れは低いですが、注意が必要です。

かかりやすい犬種

全ての犬種に一般的に見られます。

主な症状

耳ダニ感染症にかかると、耳の穴の中に黒いワックス状の耳垢がたまるほか、耳を激しくかゆがり、しきりに耳をかいたり、頭を振ったりします。このため、耳の周囲にひっかき傷ができ、ときには耳血腫を引き起こすことがあります。また、この寄生虫は外耳炎の原因の1つにもなりますが、重度感染では外耳道内だけでなく、耳の周囲や首にまで感染が広がることがあります。なお、耳やその周囲のかゆみに加え、目のまわりやひじ、かかとなどにもかゆみがみられる場合には、耳ダニ感染症とよく似た病気である疥癬の可能性も考えられます。

予防方法

耳ダニの原因は、耳ダニに感染した犬や猫との接触感染です。散歩中に感染した犬や猫とほんの少し触れあっただけで感染します。予防するためには感染している犬や猫に近づけさせない事しかありません。多頭飼いのおうちで一匹が耳ダニを発生させた場合、寝床や遊び場を洗浄、清掃しておかないとほかの犬に移ってしまいます。たれ耳の犬、耳の中に毛が密生している犬種はシャンプー後のケアも大切です。しっかり乾かし、耳の周りもきれいに掃除してあげましょう。

原因

耳ダニ感染症は、ミミヒゼンダニ(耳ダニ)という、長さ0.3~0.4mmほどの小さなダニが寄生することで発症します。耳ダニは耳の中に寄生し、耳道内の上皮や組織液(体液)、耳垢などを食べて成長します。耳の中で卵を産み、孵化した幼ダニが成ダニに成長してまた繁殖を繰り返し、どんどん増殖していきます。多くの場合、すでに感染した犬や猫と接触することで感染します。

治療方法

耳ダニ感染症の治療では、耳道内を洗浄して耳垢を除去するとともに、殺ダニ作用のある薬剤を投与します。また、細菌などによる二次感染が起きていたり、炎症が激しい場合には、これに対する治療も平行して行います。また、多頭飼いの場合は、同居の犬や猫に耳ダニ感染がないかを確認し、感染している場合は併せて治療を行います。