骨肉腫は、骨にできるがん(悪性腫瘍)です。老齢の大型犬に多く見られます。発症箇所は四肢(肩甲骨や大腿骨の端)が多い為、初期症状として軽度の跛行が見られます。悪性度が非常に強く、診断された段階ではすでに転移が起こっていることが多いです。その後は激しい痛みをともない、肺に転移すると呼吸症状などが生じて、命に関わることがあります。
危険度
高い 放っておくと、命に関わる恐れがあります。
かかりやすい犬種
老齢の大型犬に多く見られます。
主な症状
足をかばう・引きずる、足を痛がる。骨肉腫は四肢にできる事が多い為、激しい痛みが生じて、足を引きずるなどの跛行や患部の骨が腫れるなどの症状が現れます。骨肉腫はまれにアゴの骨などにも発生することがあります。骨肉腫は進行がとても速いうえに転移しやすく、発見された時点で、すでに肺に転移していることがよくあります。
予防方法
骨肉腫の予防は難しいため、早期発見・早期治療が何より大切です。上記の症状が見られたら、できるだけ早く動物病院で診察を受けましょう。また定期的に健康診断を受けるのも予防方法の一つです。
原因
骨肉腫が発生する原因は明らかになっていませんが、ゴールデン・レトリーバー、グレート・ピレニーズ、ラブラドール・レトリーバー、シベリアン・ハスキーなどの大型犬に多く発生します。また、年齢的には7~8歳前後からの老犬によく発生しますが、小型犬や若い犬にも骨肉腫はみられるので注意が必要です。
治療方法
骨肉腫は転移しやすいため、外科手術で腫瘍のある足を切断し、手術後に抗がん剤の投与を続けるのが一般的な治療となります。早期であれば腫瘍の摘出後に足の骨を移植する治療をおこなう場合もあります。骨肉腫が完全に治るのは難しく、これらの外科手術によって完治する場合もありますが、残念ながら再発も多く見られます。足の切断手術をせずに放射線治療をおこなう場合もありますが、あくまで痛みの緩和が主であり、治癒は期待できません。