会陰ヘルニア

会陰ヘルニアは肛門の近くの会陰部で起こるヘルニアで、会陰部を構成する筋肉が緩むことでヘルニア孔となり、腹腔内の消化管や脂肪、時には膀胱が脱出する病気です。未去勢の6~8歳の雄犬に好発し、性ホルモンの不均衡や前立腺疾患、慢性の便秘など様々な要因が関与して発症します。一般的な症状としては、便秘や痛みを伴う排便などがみられます。緊急処置が必要になることはまれですが、排尿ができない場合は例外となります。

危険度

低い 命に関わる恐れは低いですが、注意が必要です

かかりやすい犬種

ウエルシュ・コーギー、ボストン・テリア、ボクサー、コリー、ケルピーおよびケルピーの雑種、ダックスフントとダックスフント、雑種、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ペキニーズに好発し、特に未去勢の6~8歳の雄犬でよく発症します。

主な症状

排便姿勢をとりいきむのに便が出ない、痛みを伴う排便などが一般的な症状として挙げられます。前立腺や膀胱がヘルニア孔から脱出した際には、排尿困難も起こります。

予防方法

会陰ヘルニアは、去勢手術を行うことで発生率を低下させることができます。

原因

会陰ヘルニアは、以下の様々な要因が重なって発症します。犬種好発性、性ホルモンの不均衡、前立腺疾患、骨盤周囲の筋肉の脆弱化、慢性の便秘等。

治療方法

診断は直腸検査、レントゲン検査、超音波検査などにより行われ、どこの組織が関与しているかを調べます。緊急処置が必要になることはまれです。しかし、排尿ができない時は例外となり、この場合は、膀胱内へ尿カテーテルを挿入したりして尿を除去し、その後外科的にヘルニアを整復します。