そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)

そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)は、足の付け根にある隙間(内鼠径輪)から、臓器の一部が脱出した状態のことです。片側または両側性です。遺伝性の先天的なものと、事故などによる外傷などによって引き起こされる後天的なものとがあります。外科手術による治療が推奨されます。避妊手術をしていない中年齢以上のメスや若齢のオスに多くみられます。

危険度

低い 脱出度合や状態によりますが、通常命に関わる恐れは低い。注意が必要です。

かかりやすい犬種

特にペキニーズに多いですがすべての犬種に一般的にみられます。

主な症状

ヘルニア部は膨らみを伴い痛みがある場合もあります。隙間が小さい場合は、無症状で済みますが、隙間が大きくなるにつれて、ヘルニア内に臓器が入り込みやすくなり、腸閉塞によって嘔吐や下痢、便秘、元気や食欲の低下などを引き起こす可能性もあります。どの臓器が脱出するかにより症状が変わりますので、ヘルニア部分の色が赤くなったり、熱をもったりした際は、注意が必要です。

予防方法

早期発見・早期治療が大切です。

原因

遺伝が関与していると考えられる、先天的な原因の場合と、生まれつきのそけい部の異常が素因となり、そこに外部からの衝撃や経年変化により筋肉の衰えが加わることによって発症する後天的な場合とがあります。

治療方法

経過観察を行う場合もありますが、ヘルニアが妊娠や肥満化が原因で、拡大してしまう可能性があるため、外科手術が推奨されます。臓器がヘルニア内に入り込んでしまったような場合にも、外科手術が必要です。