扁平上皮がん

扁平上皮癌とは、皮膚の最上部を占めている扁平上皮細胞が癌化した状態を指し、爪の周りや四肢、腹部などの皮膚、口腔や膀胱の粘膜、副鼻腔、気管支などに発生するがん(悪性腫瘍)です。扁平上皮癌の症状は発生した場所によって異なります。口腔に発生した場合には、数週間という短期間でただれや潰瘍を引き起こし、鼻腔では、鼻出血、鼻汁、顔面の変形、鼻呼吸の困難といった症状を示します。また、肺に発生すると、乾いた咳が出たり、呼吸困難、喘鳴、喀血といった症状が出ます。

危険度

一概に言えない 年齢や症状、原因によって違うため、一概には言えません。

かかりやすい犬種

全ての犬種に一般的に見られます。

主な症状

扁平上皮がんは、皮膚や口腔内にカリフラワー状のしこりや赤く硬いしこりとして現れますが、しこりをつくらないこともあります。皮膚に発生した場合には、爪の周り、四肢、腹部、陰のうなどの皮膚に脱毛が見られ、皮膚がただれ、びらん状になり、潰瘍ができます。口腔内などの粘膜に発生した場合には、体表と同じように皮膚にただれや潰瘍が見られ、ときには出血も起こります。粘膜にできる扁平上皮がんは、増殖が速く、リンパ節への転移が起こりやすい傾向があります。なお、扁平上皮がんのほかに皮膚にできる腫瘍としては、肥満細胞腫、悪性リンパ腫、乳腺腫瘍、腺がんなどがあります。

予防方法

扁平上皮がんは、早期発見・早期治療が大切です。日頃からマッサージなどをして体表に異常がないかを観察してあげることが早期発見につながります。また、愛犬のボディチェックなども行い、体表上や口の中にしこりがないか観察するようにしましょう。

原因

扁平上皮がんの原因は、現在のところ明確ではありません。

治療方法

犬の扁平上皮癌を治療する方法は大きく二つあります。一つ目は化学療法や薬物療法などの内科的療法です。内科的療法は特に、癌が進行している場合や、犬に体力がない場合に選択されます。二つ目は手術によって切除する外科的療法です。症状があまり進行していない初期の癌の場合、外科的療法が選択に入ってきます。しかしこの癌は浸潤性が高くリンパ転移しやすいので、仮に手術をしても感知する確率は低くなっています。また外科的療法と、補助として内科的療法とを併用する場合もあります。