膀胱炎

犬の膀胱炎は泌尿器系の病気の中でもかかりやすく、なかなか治らず、一度完治しても再発を繰り返すことの多い厄介な病気です。細菌感染や寄生虫・真菌の感染、腫瘍などによって膀胱に炎症が起こります。オスよりもメスの犬に発症しやすく、頻繁にトイレに行く、尿が出づらい、といった症状が現れます。

危険度

低い 命に関わる恐れは低いですが、注意が必要です。

かかりやすい犬種

全ての犬種に一般的に見られます。特にメスに多く見られます。

主な症状

膀胱炎になると多飲多尿になります。膀胱に尿が溜まると痛みが生じ、背中を丸めて泣き声をあげます。また、尿の色が濁る、ピンク色の血尿が出る、頻繁にトイレに行くのに尿の量が少ない、尿が出づらい、食欲が落ちるなどの症状が現れます。膀胱炎は慢性化するケースが多く、腎盂腎炎や前立腺炎、尿路結石などを引き起こすこともあります。

予防方法

細菌感染による膀胱炎は、飼育環境を清潔にする、排尿をガマンさせない、バランスの取れた食事をするといったことで予防に努めます。また、この病気は排尿の様子や尿の色などに変化が現れるため、ちょっと気をつければ早期発見が可能です。排尿回数や排尿にかかる時間などを日々確認しておくようにしましょう。

原因

膀胱炎になる原因は主に「細菌感染」「結石や結晶」「腫瘍や外傷」の3つです。犬の膀胱炎の原因として最も多いのが細菌感染です。ブドウ球菌とよばれる細菌が尿道から尿管を通って膀胱に達し、膀胱炎になります。結石や結晶の場合は、膀胱の中にできた結石や結晶が、膀胱の粘膜を傷つけ炎症が起こり膀胱炎になります。食事や体質が関係しているとされています。腫瘍や外傷の場合は、膀胱腫瘍によって膀胱が傷つき膀胱炎にかかることがあります。交通事故などの外傷により膀胱が傷つき炎症を起こしてしまうことも原因の1つです。

治療方法

細菌感染による膀胱炎の治療は、抗菌作用をもつ抗生剤が有効です。2~3週間、細菌がいなくなるまで服用を続けます。結石や結晶による膀胱炎は、結石や結晶の種類によって治療法が異なります。主な結石や結晶には「ストルバイト結石・結晶」「シュウ酸カルシウム結石・結晶」があります。