犬のリンパ腫は犬の腫瘍の中で3番目に多いです。リンパ系または非リンパ系組織でリンパ系の細胞が増殖することにより腫瘤が作られて個々の組織や臓器を侵し機能障害を引き起こします。
悪性リンパ腫は、大まかに4種類くらいありますが、それ以外にもさまざなタイプが認められます。
下あごや腋の下、股の内側、膝の裏など、体表のリンパ節が腫れ、元気がなくなり、食欲低下するといった症状が見られる、多中心型リンパ腫(全体の80-85%)。
消化管のリンパ組織やリンパ節が腫れるもので、これにともない下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状が見られる、消化器型リンパ腫。(約7%)
皮膚に腫瘍として現れ、様々な皮膚病変が見られる、皮膚型リンパ腫。(約6%)
胸腔内にあるリンパ組織が腫れ、呼吸の回数が増加する、縦隔型(胸腺型)リンパ腫。(約3%)
節外型として目や脊髄などの中枢神経にも病変が認められることもあります。
危険度
非常に高い 命に関わる恐れがあるので、早急に受診をお勧めします。無治療の場合4-6週で死亡します。
かかりやすい犬種
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、バセット・ハウンド、セント・バーナード、ロットワイラー、スコティッシュ・テリア、エアデール・テリア、ブルドックなど
主な症状
最も一般的といわれている、多中心型リンパ腫では、元気がなくなり、食欲低下するといった症状が見られます.
消化器型リンパ腫では、下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状が見られます.
皮膚型リンパ腫では、大小様々なできものや紅斑、脱毛など、様々な皮膚病変が見られます。
縦隔型リンパ腫では、呼吸困難の症状が見られます。
予防方法
リンパ腫は、原因がはっきりしないため、早期発見と早期治療が改善のカギとなります。あごやわきの下、足のつけ根などのリンパ節を含め、全身の皮膚に腫れやしこりがないか、日ごろからチェックを行うようにしましょう.
原因
発症する原因は解明されていません。
治療方法
悪性リンパ腫の治療は、診断の確定後、おもに化学療法(抗がん剤投与)を行い、90%以上の犬である程度改善します。使用する薬剤、用量、治療の頻度、期間を考慮して個々の治療計画は変わります.リンパ腫のタイプによっては、外科的な処置などが必要となりますが多くは全身に広がるので化学療法が必要になります。