新型コロナウイルスによる日本国内の感染者数が1万人を超えました。
岩手県を除く全ての都道府県で、様々な速度ですが感染者数は増加傾向にあり、依然として終息の目処が立っておらず、発出時の想定通り、5月7日以降に緊急事態宣言の解除がなされるかどうか、まだまだ分からない状況です。
そんな中、今回は新型コロナウイルスの感染ではないか?と皆さんが心配になるであろう愛犬の体調の変化についてご紹介します。
ワンちゃんは新型コロナウイルスに感染しにくいといわれている
2020年4月22日時点においても、新型コロナウイルスがワンちゃんに感染し、症状を引き起こすという証拠は未だ見つかっていないうえ、ワンちゃんはこのウイルスには比較的かかりにくいということが報告されています。
それでもこれだけ人の間で感染が広まっているウイルスです。
濃厚接触を続ければ愛犬に感染しないとも証明されていません。
では、どのような症状がワンちゃんに見られた時に、このウイルスの関与を疑うべきでしょうか?
愛犬に呼吸器症状があっても、現状の獣医療では新型コロナウイルス以外の病気を疑う
じつは、猫では今までに新型コロナウイルスの感染を疑う症例の報告がされています。
先月、感染者である飼い主から感染した可能性がある飼い猫の存在がベルギーにて確認されており、その猫ちゃんには咳や息が荒いなどの肺炎による呼吸器症状を認めたそうです。
では、このようなワンちゃんに呼吸器症状があり、元気や食欲など普段と様子が異なる場合にはコロナウイルスが感染していると考えた方が良いでしょうか?
現状の獣医療では、そのような体調不良のワンちゃんであっても、新型コロナウイルスの感染は一番には疑いません。
理由は原因となりうる病気が生じる可能性の違いです。
新型コロナウイルスによるワンちゃんの感染が証明されていない以上、呼吸器症状と体調不良があっても、その他の病気の方が見つかる可能性が圧倒的に大きいからです。
例えば、咳をしており、いつもよりご飯も食べが悪いワンちゃんであれば、まずは細菌性肺炎や誤嚥性肺炎などの起こりやすい(=動物病院で見ることが比較的多い)肺炎や気管支の炎症が疑われます。
さらに心臓病を持っている場合、その悪化による肺水腫(肺に水が溜まってしまう病気)の可能性も高くなります。
これらはいずれも治療法が異なり、早い段階でその病気に合った治療を行なう必要があります。
そのため、皆さんの飼い犬がウイルスによる肺炎を疑うような体調不良を呈した場合でも、実はそれ以外の肺炎や気管支肺炎、肺水腫といった病気の可能性の方が、発症する確率はぐっと高くなりますし、その場合は治療法もそれぞれ異なります。
まとめ
繰り返しになりますが、現状ではワンちゃんへの新型コロナウイルス感染による発症は確認されておりませんので、まずは動物病院を受診し、皆さんの愛犬の症状がどんな病気により引き起こされているか診断してもらいましょう。
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