子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は、子宮内に細菌感染が起こり、膿が内部にたまる病気です。発熱、水を大量に飲む、尿の量が増える、お腹が膨らむといった症状が現れます。症状が進むと、尿毒症や腎不全などを引き起こすこともあります。避妊手術によって予防できる病気です。

危険度

やや高い 重症や急性症状の場合には、命に関わる恐れがあるかもしれません。

かかりやすい犬種

全ての犬種に一般的に見られます。特に発情期後や老犬に多く見られます。

主な症状

おしっこの量が増える(尿がたくさん出る)、お腹が膨れる、下痢をする、吐く(嘔吐)、外陰部からおりものが出る、水をたくさん飲む、熱がある、食欲がない。子宮蓄膿症になると、はじめは無症状であるものの、病態が悪化するにつれ、子宮から分泌物(膿汁)が出るようになり、発熱や水をたくさん飲む、尿の量がふえる、お腹が膨らむ、などの症状が現れます。更に症状が進行すると、嘔吐や下痢、食欲がなくなる、元気がなくなる、といった症状も見られます。放置していると、尿毒症や腎不全などを引き起こす場合もあります。症状が現れた時には病気が進行しているケースが多いようです。この病気を見分ける上で最も特徴的なのは「多飲多尿」です。

予防方法

子宮蓄膿症は、避妊手術によって予防できます。避妊手術は、適切な時期に行えば、乳腺腫瘍などのメス特有の病気も予防することができます。手術については動物病院で相談してみましょう。但し、卵巣のみの摘出の場合は子宮蓄膿になることがあるので要注意です。

原因

子宮蓄膿症は、発情後の黄体期(免疫力が低下します)に大腸菌などの細菌が子宮内に進入し、炎症を起こして膿が子宮内部にたまることによって引き起こされます。発情期後や老犬に発生しやすい傾向があります。

治療方法

手術で膿の溜まった子宮と、卵巣を取り出し、抗生物質で腹腔内を洗浄します。手術が早い段階で行われればほとんど助かります。脱水、電解質の不正がある場合には、手術前に点滴で補正。症状が重い場合、術後も持続点滴を継続します。同時に、抗生物質を投与。それ以外にも内科的治療で膿を出す場合もあります。