新型コロナウイルスによる感染拡大を防止する目的で、国全体として2020年本年度の狂犬病予防接種の延期を認める方向性にあります。
これは、じつは滅多にないことだと考えられます。
「普段から、狂犬病の予防接種は打ってるけども、そもそもそんなに毎年打つ必要があるの?」という疑問は、飼い主の皆さんは考えたことがあるのではないでしょうか。
同時に、動物病院に勤める獣医であれば、複数の飼い主から、そして人によっては何度も尋ねらる経験もあります。
狂犬病の予防接種の必要性、そしてこの予防接種は飼い主の義務であるということをご理解しなければ、最悪の場合、動物病院や行政と飼い主さんの間でトラブルになってしまうケースもあります。
狂犬病にかかるとほぼ100%死亡する

狂犬病とは、ウイルス感染症です。
現在、緊急事態宣言が出されている、新型コロナウイルスとは異なるウイルスが原因ですが、ワンちゃんや人だけでなく、すべての哺乳類が感染し、発病してしまうと現在でも治療法がなく、ほぼ100%死亡してしまう、とてもとても恐ろしい感染症です。
動物と人の間でウイルスが移動して症状を引き起こしますので、人獣共通感染症といいます。
感染経路としては、狂犬病ウイルスを持った犬、猫、コウモリなどの野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりすることでできた傷口から人の体内に侵入します。
今なおアジアやアフリカを中心として、世界では毎年数万人の方がこの狂犬病の感染症によって死亡しています。
日本での狂犬病における死亡率は

しかし、狂犬病は日本国内では1957年以降発生していません。
それは、1922年に家畜伝染病予防法が制定され、飼い犬すべてにワクチン接種が義務付けられたからです。
1920年ごろは日本でも年間3,000件を超える発生があったそうですが、10年ほどで激減します。
しかし、太平洋戦争によって予防接種ができなかったため、年間1,000件ほどの発生に急増しました。
戦後1950年に狂犬病予防法が施行され、改めてワクチン接種が義務付けられてからは、犬・人ともに発生が見られていません。
このような背景から、狂犬病予防法によって義務付けられている限り、飼い主のは愛犬予防接種を打たせなければなりません。
もちろん、日本は島国ですし、徹底した検疫もあります。
いまは狂犬病の国内発生を完全に抑え込んでいますので、1年予防接種をやめたとしても、急激に発生数が増えるとは考えにくいです。
まとめ
現在は国と国とを行き来する人、および動物の数が昔と全く違います。
何かの間違いで狂犬病ウイルスを持った動物が日本国内に入ってくる可能性もあります。
繰り返しますが、狂犬病の予防接種は飼い主の義務になります。
緊急事態宣言が解かれて、状況が終息してからで問題ありませんので、飼い主の責任を果たしましょう。
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