人間の女性でいう生理のことを、ワンちゃんではヒートと呼ぶことがあります。
特に女の子のワンちゃんを初めて飼われる方は、ヒートについてしっかりと知っておきましょう。
動物病院の診察中に、比較的多く質問されることがこのヒートに関する内容です。
ワンちゃんのヒートに閉経はという概念はない
多くの飼い主さんから、「この子のヒートは何歳になったら終わるの?」と尋ねられますが、ワンちゃんには閉経はありません。
すなわち、どんなに高齢になってもヒートは起こると覚えてください。
しかし、歳を重ねるごとにヒートとヒートの間隔が長くなるため、1〜2年間ヒートが来なかったのにも関わらず、高齢のワンちゃんに突然ヒートが起こることがあります。
さらに、高齢になるほど1回のヒートに伴う出血は少なくなります。
だからワンちゃんが高齢になってヒートが無くなったかもと感じる方がいます
愛犬のヒートとは
そもそもヒートとはどのようなものか、簡単に確認したいと思います。
基本的には避妊手術を受けていない女の子のワンちゃんはみんな、おおよそ8ヶ月齢以降に初めてのヒートが来ます。
多くの子が10ヶ月齢までに経験しますが、大型犬は小型犬に比べて遅い傾向があり、10〜12ヶ月齢くらいまでが初めてのヒートが起こるタイミングの目安です。
時々、もっと遅い子だと2歳になる直前に最初のヒートが来ます。
初回のヒートが起きると、それに伴う出血は平均1〜2週間続きます。
ただ、出血が少ないワンちゃんもいるため、その場合、飼い主さんが自分の子にヒートが来たことに気づいていないケースも多々あります。
初回のヒートの後はおおよそ6〜10ヶ月ほどの間隔で繰り返されていきます。
そのため、年に1回くらいのタイミングでヒートが生じるのです。
愛犬と人間との生理の違い
「ヒートって人間の生理と違うの?」という質問も飼い主さんから多く聞く機会がありますが、愛犬のヒートは人間とは原因が異なります。
人間の女性は、妊娠しなかったことで子宮内膜が剥がれ落ちることで生じる出血です。
一方、ワンちゃんの場合は、発情期に妊娠の準備をする過程で、子宮の血管が拡張し血液が溜まる(=充血する)ことで生じます。
このため、妊娠する・しないに関わらず、ワンちゃんはヒートにより出血するのです。
ヒートを止めるのであれば、基本的には避妊手術をオススメします。
ただし、手術には全身麻酔が必要なため、リスクの低い若齢のうちに受けましょう。
ホルモン剤などで発情を調整することはワンちゃんの全身に影響し、免疫機能にも関わるのであまり望ましくありません。
まとめ
愛犬のヒートは、高齢になっても基本的には無くなりません。
避妊手術を受けていないワンちゃんは一生涯ヒートと付き合っていく必要があります。
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