【獣医師執筆】要注意。チワワがかかりやすい病気

Chihuahua

今回はチワワの寿命に関わる重大な病気のうち、チワワに特に起こりやすいものをご紹介します。

若い頃から注意したい病気

まずは、若いチワワがかかりやすい、あるいは生まれ持って見つかることが多いチワワの病気をご紹介します。

水頭症

脳の中には頭に加わった衝撃を吸収し、脳細胞に栄養を与える目的で脳脊髄液という水が満たされています。

脳室というスペースにこの脳脊髄液は特に存在するのですが、チワワの中にはこの液体が過剰に溜まってしまい脳を圧迫する水頭症という病気を発症する子がいます。

脳を圧迫することで発作などの神経症状が生じている場合には、圧力を逃がすための飲み薬や外科手術が必要となることがあります。

膝蓋骨脱臼

多くのチワワは若い頃から膝のお皿が不安定です。
本来膝のお皿がはまっている位置から外れてしまうことを膝蓋骨脱臼といいます。

脱臼した状態だと痛みが生じ、関節炎を引き起こすため、容易かつ頻繁に外れてしまう子の場合は手術を必要とします。

中高齢になったら特に注意したい病気

次に中高齢になってから増えてくるチワワの病気を2つご紹介します。

僧帽弁閉鎖不全症

中高齢のチワワのほとんどが様々な程度で心臓弁膜症を発症します。
なかでも多いのがこの僧帽弁閉鎖不全症です。

軽症の場合は、無治療でも生涯を全うできることがありますが、重症の場合には複数の飲み薬や心臓手術で治療する必要があります。

また急に悪化した場合には、肺水腫を起こし呼吸困難から最悪の場合亡くなってしまう恐ろしい病気です。

診断は心臓超音波検査で行なえるため、健康診断の際に合わせて診てもらうことをオススメします。

気管虚脱

若い頃から中高齢まで問わず、チワワの気管は比較的潰れやすい傾向にあります。
呼吸に伴い気管軟骨が落ち込み、気管が潰れる場合に気管虚脱が疑われます。

日常的に咳をしていたり、気管虚脱と診断されているチワワでは体重の増え過ぎには注意し、過剰に興奮させないよう気をつけましょう。

近年では外科手術やステント手術で気管を矯正できる動物病院の数が増えてきました。

まとめ

チワワは若い頃から様々な病気にかかりやすい犬種といえるでしょう。
特に身体が小さいため、診断や治療が遅れると重症化しやすい傾向にあります。

長生きさせてあげる上では、定期的な健康診断は必須と言っても過言ではありません。
また、どの病気も栄養の偏りや過剰な体重は負担となる恐れがあります。
日頃から運動量や食餌量は適切なものにとどめましょう。

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